[RO]森下社長の東洋経済オンラインインタビューが結構面白かった

この記事は2013年2月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。

前編:「パズドラ」大ヒットの真相 | インタビュー | 東洋経済オンライン
後編:ジブリもピクサーも、「パズドラ」のライバル | インタビュー | 東洋経済オンライン

タイトルの通り。
直接ROとは関係ないんですが今日読んだ森下社長のロングインタビューが面白かったので。

最近森下社長のインタビユーはいろんな所で見ますが、この東洋経済の記事はさらに一歩踏み込んだものになっています。
ガンホー創設の経緯や、ROから得た事や学んだ事がやっぱりパズドラに生かされてるんだなと思わせる内容でした。

インタビュー

前半は会社の雰囲気とかパズドラの概要について。

http://toyokeizai.net/articles/-/13026

「パズドラ」大ヒットの真相 | インタビュー | 東洋経済オンライン

――パズドラがヒットした理由は?

運ですね。これをやったから上手くいったんじゃないかという分析は、正直くだらない。僕たちが作っているゲームは妥協せず、すべて魂を込めて作っています。

順序が違えば、パズドラはヒットしていなかったかもしれません。タイミングが良かったのは、(ガチャへの依存度が高い)カードバトルと呼ばれるソーシャルゲームで単に絵柄を変えたようなばかりのものが出てきて、ユーザーの中にも嫌悪感が出ていた状況だったということです。

– 引用元:「パズドラ」大ヒットの真相 | インタビュー | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

大体のゲームが流行るのって(有名な企業じゃないなら特に)確かに運だと思うんだけど、
それをきっぱり公式のインタビューで言い切ってるのがすごい。
これからも運によらない、純粋に良いゲームを世に出していきたいって気持ちが感じられます。

――パズドラを投入する前に、一度経営幹部がカードバトルのソーシャルゲームを提案し、森下社長が却下した経緯があったとか。

自分が面白いと思わないから、そんなもの作る必要がないと言いました。むしろ、カードバトルゲームで遊んでいたユーザーがドッと驚くようなゲームを作りたかった。

– 引用元:「パズドラ」大ヒットの真相 | インタビュー | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

たぶんROをやってる人って
「森下ってあのイベント概要とかにスーツ写真で写ってる若い人でしょ」
っていう認識だけの人が多数だと思うんですがこの通りちゃんとゲームの企画とか運営に携わってて、
事業家であり経営者である前にゲームプロデューサーなんですよね。
やっぱりインタビユー見てると「面白いと感じるゲームを作りたい」という言葉が端々に見えます。

――パズドラの開発スタッフは現在、何人ですか?

30人弱です。プロモーションやカスタマーサポートの人員を加えれば、もっと増えます。その30人弱も、パズドラだけの開発に携わっているわけではありません。

– 引用元:「パズドラ」大ヒットの真相 | インタビュー | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

コアメンバーをあまり多くしすぎないっていうのは、トップが目を配りやすいってところではすごく良い選択だなと感じました。
ガンホーの社員インタビュー見た感じだとたぶんROもこれぐらいの人数で、外注等で枝分かれしていってるんだと思います。

後半はこれからの展望や競合企業についてとか。

http://toyokeizai.net/articles/-/13058

ジブリもピクサーも、「パズドラ」のライバル | インタビュー | 東洋経済オンライン

――ここ数年の成長が目覚ましいモバゲー(ディー・エヌ・エー)、GREE(グリー)をどう見ていますか?

彼らはゲームを作りたくてゲーム会社になったわけではないので、言葉は悪いですけど、僕たちとは人種が違います。IT企業として、儲かることは何でもやるのでしょう。彼らには彼らの思想哲学があるでしょうし、僕らには「ゲーム屋」としての思想哲学があります。

– 引用元:ジブリもピクサーも、「パズドラ」のライバル | インタビュー | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

企業として儲かる事は何でもやる。やらないと儲からない。
挑戦的な言葉にも見えるけど、実際企業として業績を上げるためにはそうしていくしかない状況があって
個人の感情ではなく会社のやり方としてそれらを押していかなくてはいけないってのはほんと仕方の無い事ですよね。

それを具体的に伝えてくれる別のインタビューがあります。

– パズドラ生んだだけじゃなくて、育てた土壌ということでガンホー社のスタイルとかその辺も聞かせてください。

山本:
社長の森下がとにかく面白いゲームを作るのが最優先だ、っていう会社なので、プロトタイプを1ヶ月とか2ヶ月とかで作るんですね。その時は事業計画とか予 算とかも一切いらないからゲーム作っていいよ、って感じで始まって、面白かったら本格的に開発っていうスタイルなので、作る側としてはベストな環境ですよ ね。
理想形に近かったです。

– 引用元:【徹底インタビューその2】パズドラはこうして生まれた – たのしいiPhone! AppBank

これ沢山の人数を抱える会社だったらなかなか出来ない事でしょうねー。おもしろい。
まあそれでもガンホー社全体だと2~300人ぐらいは社員いるんだけど…

パズドラ家庭用展開の発言も

――パズドラの家庭用ゲーム機への移植はどのプラットフォームを考えていますか?

2013年内に出すことまでは言えますが、プラットフォームは言えません。家庭用ゲーム機にはこれまで「PlayStaton Vita」「PSP」 「PlayStation2」「ニンテンドーDS」向けに出しています。仮に「ニンテンドー3DS」向けに出すとすれば、初めてになります。

– 引用元:ジブリもピクサーも、「パズドラ」のライバル | インタビュー | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

ほぼ言ってるようなものですね!媒体的に携帯機向けは間違いないのかな。

『PS4』参入メーカーのロゴが公開、壇上にはカプコン小野氏が登場して新タイトル『deep down』と新エンジン“Panta Rhei”をデモ – 電撃オンライン

↑PS4参入企業にも名を連ねているのでもしかしたらこちらの展開もあるのかも?
Vitaでトランスファリングとか…

メンテやトラブルに関して

――業績以外に、今後、運営で気をつけるべき点は何でしょう?

機械ではなく人間が運営しているので、ミスは必ず生じます。問題はミスが発生したとき。「できるだけこまめにアナウンスしろ」と口を酸っぱくして言ってい ます。電車が止まっているときを想像してください。電車が止まっていて、いつ動くのかがわからないときに車内アナウンスがなかったら、ストレスや不安を感 じますよね。

– 引用元:ジブリもピクサーも、「パズドラ」のライバル | インタビュー | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

「できるだけこまめにアナウンスしろ」はもう間違いなくROの影響でしょうね!

ガンホーの生い立ち

――(ソフトバンク孫正義社長の弟でガンホーの大株主でもある)孫泰蔵会長は現在どのような立場でガンホーにかかわっていますか?

経営には直接かかわっていません。基本的には僕一人で全体を見ています。創業の頃から孫さんは「ガンホーは森下の会社だから自分が口を出すことはない」と言っていました。

– 引用元:ジブリもピクサーも、「パズドラ」のライバル | インタビュー | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

おなじみROユーザーの間で散々言われた禿こと孫会長。金銭面でのバックアップのみに止まってるようです。
このあたりは以前からいくらか話には出てたと思うんですがこのあとの話も面白い。

そのときは日本の大手ゲームメーカーから出資してもらうつもりだったのですが、当時、ソフトバンクにいた孫泰蔵さんとたまたま知り合って、オンセールという休眠会社を使ってくれないかと打診されました。もともとはニューマネーで会社を起こすつもりだったので4回くらい断ったんですが、結果的に引き受けてしまいました。債務を抱えた会社でマイナスからのスタートですから、「ドM」もいいところですよね(笑)。

そうした経緯もあり、孫泰蔵さんは会長でありながら、いち安定株主にとどまり、経営には口を出すことはありません。

– 引用元:ジブリもピクサーも、「パズドラ」のライバル | インタビュー | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

謎の「オンセール」はやはり休眠会社だった!
このあたり直接インタビューで語られる事って今までなかったので新鮮ですね。
しかも4回もオファーされてたとか、どれだけ孫会長期待を高めていたのかww

ちなみにこちらのインタビューも面白いです。2/8付。

http://japan.cnet.com/interview/35027520/

ガンホー森下社長に聞く–脱パズドラで革新的なゲームを世に出したい – CNET Japan

――ゲームの面白さを大事にする開発をうたう一方で、初期の「ラグナロクオンライン」の運営などを見ているユーザーからは、否定的な見方をされているところもあります。

運営に関しては成功事例がない市場だったんです。「ラグナロクオンライン」をリリースした当時は、オンラインゲームを運営している会社さんも少なかったですから、地雷という地雷は全て踏んできたと思ってます。経験がなかったので、よかれと思った施策が裏目に出ることも少なくなかったです。

そもそも開発のGravityと運営が会社として異なっていて、さらに国も違うと。国が違えば思想も違うんです。不正ユーザー対策につい ても対応しきれなかった部分については、Gravityとは喧嘩したと言っていいぐらいに言い合っていました。例えば「売り上げが落ちてもかまわないから 対策のほうが重要」と主張しても、韓国の開発サイドにはなかなか理解をしてもらえないんです。誤解の無いようにしてほしいのですけど、彼らが間違っている のではなく、それが彼らなりの正しさなんです。とはいえ、そのままにしていても状況が変わらないわけですから、自分たちの傘下に置かないと改善しないと 思って子会社化したんです(※2008年2月にGravityを子会社化)。それから少しずつ変わってきました。

当時一番つらかったのは、対応したいと思ったことができなかったことですね。そういう苦い思いがあるからこそ、面白いゲームを提供することを標榜していま したし、「ラグナロクオンライン」の運営に対して言われることもあると思いますけど、開発と運営がひとつになってサービスを提供することで、理想のサービ スに近づけると思うし、それこそが本当にやりたかったことです。

– 引用元:ガンホー森下社長に聞く–脱パズドラで革新的なゲームを世に出したい – CNET Japan

グラビティ社との意見の相違やすり合わせがうまく出来てなかったため
初期の糞会社という単語を生み出してしまったと。
でもここから子会社化してちゃんと舵を取ったのはすごい。

そもそもゲームを作りたくて、でもそのためには社長になるしかない状態だったので、ある意味仕方なく社長になったんです。だから、社長業に専念してゲーム作りに関わってなかった時期は本当につまんなかった。今が一番楽しいし、そう感じているということは、一番合っていることなんだと思います。

– 引用元:ガンホー森下社長に聞く–脱パズドラで革新的なゲームを世に出したい – CNET Japan

ROはもしかしたらここまでのたたき台でもあったのかもしれない。
でも実際ここまで成功してるのだから優秀な社長さんだよなーと思う。
コメントにもあるように、「わかりやすいゲーム馬鹿」だからこそのここまでの道のりなんだなーと感じた。

ところでCNetと東洋経済の社長の写真見くらべると、
東洋経済の写真はヒゲ伸びてるし肌荒れ気味だしすごい疲れてるような風貌ですね…。
「現場の人っぽさ」をひしひしと感じる。

まとめ

なんとなく思ったのは森下社長はもうすこし前に出てきてもいいんじゃないのかってところ。
たとえば任天堂はいわっちとかが定期的にアナウンスしたらプロモに出たりしてるけど
ああいうシンボルとかキャラクター的なものとしてプロモしに出てきてもいいんじゃないのかなーと。
これだけ直接現場に携わってるならなおさら…。
あんまり露出してこなかったのは今までのマイナスイメージもすごかったってのはあるのかも。
たぶん最近のROユーザーだといきなり「森下社長」が肌身に感じられたのって「浅草サンバカーニバルのアレ」だと思うんですよ。
もっと愛される社長になって欲しいなーと純粋に思ったのでした。案外トップの人のイメージって大事だし。

東洋経済とcNetのインタビューはほんと面白かったので、パズドラRo両方やってるユーザーさんには尚更見て欲しい内容です。
最後にURLもう一度貼っておきます。

「パズドラ」大ヒットの真相 | インタビュー | 東洋経済オンライン
ジブリもピクサーも、「パズドラ」のライバル | インタビュー | 東洋経済オンライン
ガンホー森下社長に聞く–脱パズドラで革新的なゲームを世に出したい – CNET Japan

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